実際にあった中古物件・欠陥住宅購入のトラブル事例と体験談
不動産業者を信用して購入した中古物件がとんでもない欠陥を抱えた住宅だったというトラブル事例です。
皆さんご自身にも起こりえることかもしれません。このようなことを繰り返さないようにと実際にトラブルに見舞われた「Aさん」にご協力をいただきましたので、その事例を紹介します。
目次
- 01. はじめに
- 02. 築30年越えの中古住宅を購入
- 03. シロアリが被害発覚する
- 04. 難航する話し合い
- 05. 不動産業者のB社の社長へ手紙を送る
- 06. 話し合い再開・売主に会う
- 07. 急に訪れた協議の決裂
- 08. おわりに
- 09. 建築の専門家に相談したりアドバイスをもらってみよう!
- 10. 瑕疵担保責任があるとはいえ、修理に1,000万円もかかり泣き寝入りすることも!
- 11. ぜひ勉強してから中古物件購入に臨んでください!
- 12. 【関連資料】過去のに掲載していた内容
1. はじめに
この欠陥住宅問題は終結まで約2年かかりました。その間、たくさんの方からのご意見やアドバイスを頂きありがとうございました。
やっとの想いで不動産業者と交渉が実現しましたが、不動産のプロしては考えられない回答が返ってきました。そのあまりも酷い回答や行動は後ほど記載します。
企業として、人として、なぜこのような考え方ができるのかビックリです。
大手の不動産屋さんでしたので、担当者から上層部に話が伝わっていないのかもしれないとおもったので、
その会社の社長宛に手紙を投函しましたが、またその返答もビックリな内容でした。
こちらについても、後ほど記載します。
大手の不動産業者だから安心できるということはなく、おそらくこのようなトラブルは氷山の一角にすぎないでしょう。
では、消費者は何を信じれば良いのでしょうか。
中古物件を販売する業者には消費者が物件購入の判断材料としてその物件を公正に評価し公表する法的な制度の整備などが必要だと思います。
命を担保にこれから何十年も住むことになる大切な財産です。これから紹介するトラブルはご自身にも起こりえることかもしれないと考えてください。
2. 築30年越えの中古住宅を購入
私達家族は数年前から住宅の購入を考えていました。
横田建築研究所のWEBサイトを拝見し、その考え方に共感し、また施工例を見てとても素敵だったので、中古住宅を購入後自然素材を使ってリフォームしたいと常々考えていました。
当初はマンション希望で、たくさん見ましたがなかなかピンとくるものがなく、一軒家も視野に入れることにしました。
そんな中、ほぼ土地値と思われる価格で築31年の中古一戸建てが売りに出されていました。
不動産業者のB社の営業担当のCさんには、数年前から物件探しの際、お世話になっていました。数社に資料請求しましたが、メールだけの会社、資料を送付するだけの会社が多い中、Cさんは電話や度々送付してくれる資料と一緒に手紙が入っていて、熱心で親切な会社だなと思い、それからは何度かお世話になっていたので、今回も内覧をお願いしました。
この物件周辺の環境が我が家の条件にぴったりで、ちょうど近くで探していたところでした。水廻りは数年前にリフォームしたということでそのまま使えそうでした。全体的には築年数相当の傷みはあったのですが、初めから耐震補強・間取り変更・キッチン・内装等の全面リフォームを考えていたので、購入を前向きに考えました。
見学時に売主側の仲介業者のD社のEさんに雨漏りとシロアリの被害について、確認しましたが、「5年前にシロアリの薬もまいてあるので大丈夫です。雨漏りもありません。」との返答でした。不動産業者のB社のCさんにも再度確認したところ、「仲介業者のD社がそのように言っているので問題ないと思います。」と返答をいただきました。私どもはきちんと調査した上での返答だろうとその言葉を信用し、その中古物件の購入を前向きに考えるようになりました。
その後、リフォーム分の費用もローンに合算して借り入れをすることにしたので、Cさんから「依頼するリフォーム会社にリフォーム分の見積もりを出してもらいにに来ていただいてはどうですか。」とアドバイスされました。契約前であり耐震補強などの見積もりは解体せずには詳しい見積もりがでないし、金銭的にも時間的にも余裕がなかったので、見積もりを出していただくことはしませんでした。
そして、その中古物件の売買契約を結ぶ際、私達が少しでも安い価格で購入したいと伝えていたためだと思いますが、Cさんから「瑕疵担保責任免責にするとかなり安くしてもらえるかもしれませんよ」と言われました。瑕疵担保責任の重要性は知っていたので迷いましたが、仲介業者のD社の言う「シロアリ被害なし雨漏りなし」の言葉を信用し、瑕疵担保責任を免責することで値引きしてもらうということで契約を交わしました。
しかし、本契約の際の重要事項説明書には、シロアリ被害が無いことと雨漏りも無いことについての記述は無く、瑕疵担保責任については負わないと書かれていました。
後にこのことが元でトラブルに発展することになってしまいます。
3. シロアリが被害発覚する
その築31年の中古一戸建てを購入後、横田建築研究所に物件調査していただいたところ、シロアリの被害と雨漏りなど状態がひどく「このまま住める状態ではない」そして「通常ではとても売買できるような状態の物件ではない」との診断でした。
シロアリ被害はよく見ると室内からも見える範囲まで及んでいました。(床の間の柱、階段部分の柱など、見学時にできる限り確認したつもりでしたがわかりませんでした。)
雨漏りも含め補強・修理に当初の見積金額よりも数百万円ほど多くかかってしまうだろうということでした。
すぐに横田建築研究所の所長の横田さんが不動産業者のB社の営業担当のCさんに電話をし、すぐにこの状況を見に来るように言いました。翌日、Cさんが現場に様子を見にきたそうです。(横田さん側が対応してくださいました。)
困った私達は、Cさんにどうしたらよいものかと相談しました。
「本当にシロアリはいなかったのか」「きちんと薬をまいたのか」「本当に売主は知らなかったのか」「仲介業者のD社はこの物件の状態についてきちんと調査を行っていたのか」など詳細を知りたかったので、売主と仲介業者のD社に一度会って直接話を聞きたいとお願いしました。しかし、仲介業者のD社からの返答は、「売主からシロアリ被害について聞いてないのでこちらに落ち度はない、また売主も知らなかったといっている。」ということでした。
「普通は、売主に売却の仲介を依頼された際に物件の調査をきちんとするものじゃないですか。」と聞いたところ、「ほとんどの会社はしていないと思います。」という答えでした。
本当に売主はシロアリの防止剤をまいていたのかを確認するために、証明書等の提示を求めました。そして売主からリフォーム工事とシロアリ防除の証明書のコピーが届きましたが、よく見るとまだシロアリ保証期間内だったので保証がまだ効くのか売主よりリフォーム会社に連絡をとってもらいました。
すると、リフォーム会社の方は担当者が退職したため、詳細はわからないということでした。売主からリフォーム会社と直接電話で話す許可をもらい電話をすると、こちらの資料では生きたシロアリがいたので駆除したことになっているが、その渡した防除の保証書には「再度生きたシロアリが出現した際に無料で駆除する」という保証の内容で、再発したシロアリが起こした被害に対しての保証ではないとのことでした。一通り説明を受けましたが余計に混乱してしまいました。
また再度売主と連絡をとってみる、ということで後日売主側から連絡があったのですが、やはりシロアリの防除をしただけだったと言われました。本当かどうか疑わしかったのですが、それ以上私達にはどうすることもできませんでした。
「会社の資料と施主に渡す証明書の内容が違う」「防除の薬をまいたのに保障期間内にシロアリの被害があった」「あるいはシロアリ被害があったにもかかわらず施主に報告せずリフォーム工事をした」など、何れにしても、いいかげんなリフォーム会社がすることだと思いました。このようなリフォーム会社が実在しているとは本当に驚きです。
私達は不動産業界の常識などもわからないので、(社)全日本不動産協会に電話で相談しました。すると、親切に話を聞いてくれましたが、「実際は宅建業法にちゃんと調査しなさいと法律として定めているが、実際に調査をしているかというと、ほとんどの業者が売主の申告のとおり聞き取りを行う程度で、ろくに調査をせず売っている。こちらには指導や罰則を与える権限がないし、とても難しい問題なので、一回弁護士に相談してみてはどうか。」というお話でした。
また、(社)不動産取引業協議会にも相談しましたが、やはり「宅建業法に調査義務について書かれてあるので泣き寝入りせずに一度弁護士に相談しては?」とアドバイスされました。
法律には書いてあるのに誰もそれをやらない、不動産業界ってこんなにいい加減なものだと初めて知り、驚きました。
この間、横田さんにも色々と相談にのっていただきましたが、私達はできれば他人と争うことはしたくない、なんとか話し合いで解決することができればと思っていました。
そして、この頃には金銭的にというよりも、今後私達みたいな被害者を増やさないために、再発防止を強く訴えることに主眼を置いたほうがよいのではと思い始めました。
4. 難航する話し合い
その後、Cさんより売主側からシロアリ被害補修分の見積書を出して欲しいと要望があったと連絡がありました。私達は売主が少し心を開いてくれたのかと思いすぐに横田建築研究所に作成していただき見積書を提出したところ、売主とD社からの返事は「費用の負担は一切しない」「今後、話合いにも応じない」という冷たいものでした。そしてCさんからも費用の負担についてはできないと言われました。
私達はなぜこのような事態になったのか、この家のこれまでの経緯を説明してほしかったのですが、どうやら私達が数百万の費用すべての負担を要求していると誤解したようで、はっきり断られてしまいました。現段階では多額の負担金を要求するつもりもないし、なんとか一度話を聞きたいと再度お願いをし、私と横田さんと、Cさんと、その店長のFさん、売主側の仲介業者D社のEさんで売主は不在でしたが、初めて話し合いの場を持ちました。
そこでわかったのは、書類上、契約上は何も問題はないが、ただ言葉の行き違いや誤解、各々の怠慢のためにおきた問題であったということでした。
話し合いのなかで、D社は売主の聞き取りのみで物件の調査をしていないことを認めました。
また、Cさんもシロアリ被害等を見抜くことは出来なかったことを認めました。しかし費用の負担についてはどちらも出来かねるということでした。そして要望があればそれに対して何らかの返答をするということでした。
私としては、このような事態になっている旨を、上司や社長にきちんと報告し、この件に関して不動産業を営む会社の社長として、何らかのご意見をお伺いしたいとお願いし、話し合いは終わりました。
翌日、Cさんへ状況をたずねると、なんともそっけない内容のメールが届きました。それは「具体的な要望がないと答えられない」との内容でした。
その後、売主には報告したかと確認すると「ご納得いただけました。」という簡単な返事だけでした。もうこれ以上関わりたくない、関係ない、という気持ちがうかがえる印象でした。
5. 不動産業者のB社の社長へ手紙を送る
B社のWEBサイトには会社の経営理念・社長の思いが書かれています。とても立派ですばらしい内容です。「真」「誠」という文字が何度も出てきます。お客様のために、と強調して書かれています。
もしかして会社の社長や上役は報告を受けてないかもしれない、すばらしい経営理念を掲げる会社なのだから、社長なら理解を示してくれるかもしれない、
と思った私達は社長宛てにシロアリの被害の写真を同封しこれまでの経緯を書き、その上で社長の考えを問う手紙を郵送しました。
送った手紙の内容
(〜 一部内容を割愛しています 〜)
費用負担の請求をするのは簡単なことです。でも、費用の負担をしていただいてもこの問題の全面解決にはならないように思うのです。私達は、念願の家の購入にともない、このような事態に陥り、精神的にも金銭的にも大変おおきな痛手を受けました。もう誰にもこのような思いをしてもらいたくありません。
私どもはこのような問題の当事者になって初めて、不動産業界の実情を知ることになりました。
きちんと調査・評価した上で売買されていると思った住宅が実際は売主からの聞き取りのみで、1000万円を越える商品を売買しているとは大変驚きでした。また、宅建業法に書かれているにも関わらず、平然と「普通はそこまで調査していないと思います。」と言えてしまうCさんの言動に恐怖すら覚えました。
専門業者、プロとしてのプライドや自覚はないのでしょうか?私達の言い分は単なるクレームとして処理されてしまっているのでしょうか?今回の件は氷山の一角ではないかと、とても不安に感じています。
話し合いに同伴した店長のFさんは、「今回のようなケースで自分が購入者であったら、しかたなく諦めます。」とおっしゃいました。私どもも初めは諦めようと思いました。しかし、私どもがここで行動をおこさなかったら、また同じような被害者が出るのではないかと危惧しています。
私どもはCさん個人を責めるつもりはありません。Cさんは精一杯やってくれたと思っています。ただ、百年に一度の大不況と言われる昨今、不動産業界も大変厳しいと思いますが、このような世の中だからこそ誠意ある真の企業だけが生き残れるのだと思いますがいかがでしょうか?
今回の件では、御社は私どもの仲介業者でしたが、実情をきちんと理解し、再発防止のための努力をしてほしいと思っています。さて、今回の件は社長のお耳に届いていたでしょうか?
御社のホームページを拝見させていただき、社長メッセージも読ませていただきました。社長様でしたら、私どもの主張をご理解いただけるのではないかと思い、大変失礼かと思いましたが、今回このような文書を社長宛に差上げた次第です。ご多忙のところ恐縮ですが、社長様より誠意あるご返答をいただきたくお願い申し上げます。
6. 話し合い再開・売主に会う
その後、店長Fさんよりメールが届き、手紙に対してのお返事をしたいとのことで後日、横田さんの事務所で会うことになりました。そこには店長のFさんとその上司のGさんが来ました。
社長宛ての手紙の回答は「我が社には落ち度はない。契約上なんの問題もない。」という以前と同じ考えの答えで、それが社長からの返答ということでした。そして私達は売主に一度会ってお話しをしたい、費用の請求はしないので会社として再発防止策を考えてほしい、と要望を出しました。
その後、売主側から連絡が来ました。「金銭の請求はしないという前提で、今までの経緯の説明を趣旨としたお話しならさせて頂く。ただし、当事者間の話合いを希望するので、売主・買主・仲介業者以外の出席は御遠慮願いたい。」ということでした。
これまで話し合いの場に同席し、いつも専門家の立場から鋭く意見してくださっていた横田さんの出席を拒む形となったのは、先方からすると不都合だったからでしょう。
その条件をのむことで、やっと売主と直接話しをすることができました。
売主は結婚を機に家をリフォームしようと、知人の紹介であるリフォーム会社に水廻りのリフォームを依頼しましたが、仕事や結婚式の準備などバタバタしていたので、業者とコミュニケーションがあまりとれず、ほとんど業者まかせだったそうです。
完成後の引渡し時に、業者から「柱はしっかりしていますよ。」と言われたことだけは強く記憶に残っているものの、1階和室の柱など家の中にまで及ぶ被害については、ほとんど部屋を使用していなかったため全く気が付かなかったということでした。
実際は、階段の柱など日常の掃除の時などに丸見えなくらい被害が及んでいたので、どうも本当のことを言っているようには思えませんでした。
その後、新居を購入することになり、D社に売却の仲介を依頼したそうです。
D社にもシロアリ防除剤を撒き、リフォーム業者からも「柱はしっかりしていますよ。」と説明を受けた事を伝え、それを聞いてD社もシロアリは大丈夫だと思ったようです。
売主は、最初シロアリ被害があるとわかって連絡を受けた時、被害写真のみ渡され、お金の請求を突きつけられた感じがしたそうです。見積書に関しても仲介業者から話が出たようでした。
売主の説明は、多少の疑問が残りますが、売主のその当時の状況から察するにリフォーム会社がかなりいいかげんな会社だったとして、やむを得ないものと感じました。
そして私からの要望として、組織として中古住宅に起こりうると想定されるトラブルの対応策ができていないので、再発防止のための対応の策を講じることを要求し話し合いを終わりにしました。
それから10日ほど後、Fさんよりマニュアルが出来たのでご覧いただきたいというメールが来ました。マニュアルの内容に期待し、やっとこれですべて終わると、ほっとしたような気持ちでした。
でも、それと同時にかなり用心深くなっていましたのでメールを送りました。
送った手紙の内容
(〜 一部内容を割愛しています 〜)
また、重ねてお願いですが、B社さん側の今回の件のこれまでの経緯と、今回のようなことが起きた原因についても文書にて提示いただけたらと思います。
マニュアル作成に際し、B社さんなりに再発防止にむけて十分論議、熟考されましたでしょうか。
私どもの願いが十分に織り込まれた内容になっていますでしょうか。
7. 急に訪れた協議の決裂
その数日後…。
Fさんから突然メールが来ました。その内容は…。
再度明言するが、今回の件についての会社の見解としては、落ち度はなかったと考える。
出来るだけ納得してもらえるよう、円満に解決できるようにと、努力をしてきたつもり。
本来直接関係のない横田さんの事務所への呼び出しについても異議を申し立てることなく、代表の代理として出向き、1時間以上にわたる話し合いをした。
次に通常ではあまり考えられない、取引後の売主・買主の直接面談という要望にも、なんとかお願いし実現させた。
そして、本来ではまず行わない、会社の内部規定である「業務マニュアル」の一部を開示するつもりだった。
しかし、この度のメールで話が全く振り出しに戻ったかのごとくの内容で、正直驚いている。
マニュアルの事についても、まるで会社に今回の件の原因があり、その対策として改善すべしというような発言は、そのまま受け入れるわけにはいかない。
従って、開示の予定は、取りやめさせていただく。
なんとか円満に終結を迎えるため努力してきたが、全く誠意が伝わっていなかったことを痛感した。
今後、何度話し合いの場を持ったところで、平行線をたどるのでは。
と丁寧な口調で、しかし淡々と書かれていました。
メールは次のような言葉で締めくくられていました。
「今後もお客様にご満足頂ける業務を第一目標として行って参ります、とのメッセージをお送りし、私共の最終の回答とさせていただきます。」
私達は期待していただけにとてもびっくりしました。
でも、もう最終の回答と言ってきているし、もうこれ以上は無理だなと思いながら、とりあえず私達の思いを後日Fさん宛にメールを、社長には手紙を送りました。
以下、社長あての手紙
(〜 一部内容を割愛しています 〜)
ただ、今まで正式な文面としては、何もいただいておらず、会社として、また社長の見解として落ち度はなかった、一連の私たち買主への対応についても、問題がないのなら、その言葉を文面としていただければ、と思い書きました。
御社に直接的な落ち度がないことは社長へのお手紙にも書きましたとおり、私も承知しております。売主と話し合う事もできました。この売主との話し合いを通じて、あらためて売主側仲介業者の対応のお粗末さがより印象に残りました。
その上で、二度とこのようなことがないようにとの願いから、出すぎたこととは思いながら、一購入者からの意見として再発防止策を提案、要望いたしました。
築数十年の中古物件を扱う場合には、買主と仲介業者がチェックポイントを確認するなど、安心して購入できるための手引書があれば、万が一このような問題が起きた場合でも、十分顧客が納得できるのではないか、と思ってのことです。
そして、前回の話し合いでマニュアルを作成し、見せていただけるとのことで、可能な限り誠意ある対応をしようと努力してくださっている印象を受け、これで区切りをつけようと思っていました。ですから、Fさんからメールをいただき、驚きとともに大変がっかりいたしました。
私が今回、御社について思ったことは、御社は受身で、買主から出された具体的要望に対してのみ、対応をしているように思います。もっと一歩すすんで買主の立場に立って考えるべきではないでしょうか。相手は素人なので購入前の問題点や購入後のトラブルの対応も、よくわからないのが実情ではないでしょうか?もっと積極的に顧客に情報を開示して「お客さまのために」を貫いてほしいと願っています。
私が本当に望んでいることは、会社内部の業務マニュアルを見る事ではなく、不動産購入の際、購入者が不測の事態に陥り、悩み、苦しむことがないよう、仲介業者が業務を全うしてくれることなのです。
どうか、今回作成されましたマニュアルを今後の業務に活かしていただきたいと思います。
そして、数ある仲介業者の中から御社を選んだお客様全員が、末永く幸せに暮らせるよう、お手伝いして差し上げてください。
社員全員が一致団結してよりよいB社となられますよう、今後の発展を陰ながら見守っています。
その後…
その後、もちろんB社からは何の連絡もなく、WEBサイトなどを見ても特に変化はみられません。
私達の協議はこのような形であっけなく終わってしまいました。
私達は今回の事で、とても多くのことを学びました。
不動産トラブルなんてテレビでしか見ることがなかったことがまさか自分の身に起き身近であるということ。
私達のケースは、一般的な不動産トラブルに比べればそれほど大きな問題ではないかもしれません。それでも、私達にとっては大きな痛手でした。仲介業者を信用し過ぎだったのかもしれません。
まさかいくら築年数が古く土地値ほどの価格だからといって全く建物の調査を行わず、ましてや売主の言葉をそのまま客に伝えるとは。私達も世間知らずで恥ずかしい限りです。
なんのために法律はあるのか、ほとんどが「売却時の調査はほとんどの会社でしていない」という不動産業界の常識。
また、できるだけ価格を安くするため、お客のためとはいえ、瑕疵担保責任免責での契約をすすめるのは、とても危険なことであると思います。買主を守ってくれる唯一のものなのですから。
何かトラブルがあったとき、当事者である素人同士では解決が難しいと思います。どちらも知識がなくそれぞれ生活もあります。私達は直接売主に訴えるのはやはり無礼な事ではないかと思いました。
仲介業者側に落ち度があったのかもしれない、そう思い仲介業者に連絡を取りました。こちらも初めは動揺していたので言葉がよくなかったかもしれませんが、2社が間に入ったことでますますややこしくなってしまいました。
特に売主側の仲介業者のD社の担当者の名刺には宅地建物取引主任者と2級建築士と書いていましたが、とても頼りなく、納得のいくものではありませんでした。
すべての売主が家の状態を正確に把握できているか、正直にすべてを申告するかは疑わしいと思います。これでは何のための仲介業者なのか。
B社は通常の契約を完了している私達の無理な要求にもなんとか答えようと努力してくれ、信用のおけるきちんとした会社だと思い、
感謝していた矢先に、最終的に考えが決裂してしまいとても残念でした。
今後は誠実にお客様のために法律を遵守し、職務を全うしてほしい限りです。
あの時、「別の仲介業者に依頼していれば」または「売買契約前に横田建築研究所に調査してもらっていれば」「あの時契約していなければ」「瑕疵担保責任の免責をしていなければ」今とは違う結果になったかもしれないと何度も何度も思いました。
自分達の無知を悔やみました。まさに不徳の致すところ、反省もたくさんしました。
引渡しが近づき、普通なら家具やインテリアなどを選ぶ一番楽しい頃、私達は書籍やインターネットで家屋のシロアリ被害や不動産トラブルについて毎日調べていました。
引越し後も、横田建築研究所に理想通りの自然素材の家にしてもらったのに、業者との交渉が続いていたため、うれしい反面、どこか気持ちが晴れませんでした。
すでに家は引渡し済みで契約が完了しているはずの私達のために所長の横田さんには忙しい中各所に飛び回り親身にアドバイスをくださり、まさに地獄に仏、勇気をいただき前を向いてがんばろうと思うことができました。
横田さんのようにプロ意識が高く親身にクライアントの立場になってくれる建築家がいるということがわかり本当に救いになりました。
これからもっともっと横田さんのような高い理念をもった熱意のある建築家と誠実な不動産会社がたくさん現れますように、そしてすべての人が満足と納得のいく家を手に入れることが出来る世の中になりますように、そう願っています。
8. おわりに
このような不動産業者とのトラブルを繰り返さないようにと体験談を広めたいと立ち上がっていただいたAさん、本当に有難うございました。
この事例は氷山の一角に過ぎません。同じようなトラブル事例も
掲載しています。
中には良心的な不動産屋さんもいらっしゃいますが、本当に中古物件購入に関するトラブルが絶えませんね。一体、不動産業界は何をしているのか…
もし購入の検討をしている中古物件に不安があるようでしたら購入する前に専門家に調査をしてもらうことをおすすめします。最近は中古住宅の物件を調査し評価してくれる会社がたくさんあります。お近くの設計事務所や物件調査会社などに調査を依頼したりとリスクを回避することや、物件の購入の前にしっかり勉強をして知識を得ることも大切であるということを認識しておいてださい。
建築の専門家に相談したりアドバイスをもらってみよう!
出典:住まいづくり勉強会&相談会
私たちの建築設計事務所では「不動産購入の基礎について勉強したい!」「中古住宅を購入して自由な間取りにリフォームしたい!」などとお考えの住いづくりの初心者の方を対象に、
世間話しする感覚で気軽に参加できる勉強会や相談会を時機に応じて開催しています。
この勉強会の参加者は、建築家が一緒に現地に同行して物件の良し悪しをプロの目線でアドバイスする「住宅購入サポート」も受けられます。
各社このようなイベントを無料でおこなっていますので、アドバイスをもらったり知識を身に付けるのに活用するのもおすすめです。
瑕疵担保責任があるとはいえ、修理に1,000万円もかかり泣き寝入りすることも!
瑕疵担保責任があるとはいえ、不動産会社の倒産してしまったりと売り主に支払い能力がない場合、その責任を取れないということもありますので注意が必要です。
出典:欠陥住宅をつかまされないために知っておきたいこと
中には築年数が古く建物にまったく価値が無い物件や、あまりにも相場より安い物件の場合は売り手の瑕疵担保責任を免責する(無くす)ことが条件として契約に盛り込まれていることがあります。
このような場合、修繕にたくさんの費用が掛かってしまい泣き寝入りするなんていうことになりかねません。
物件について慎重に調べておかないと、たとえ大手の不動産会社が仲介していても万が一のことがあった時に何も対応してくれないなんていうこともよくありますね。
中古住宅物件を一般の方が注意して調べても欠陥があるかどうか判断することは難しいので建築家や住宅に精通した専門家に一緒に見てもらうことも良いと思います。
ぜひ勉強してから中古物件購入に臨んでください!
このような欠陥住宅の事例は氷山の一角に過ぎません。解体して判明する手抜き工事や欠陥住宅は私たちが手がけた物件だけでもよく見かけます。また、このような欠陥住宅をつかまされ人生を狂わされてしまう人もいます。
出典:住まいづくり勉強会&相談会
一生ものの大きな買い物ですので物件を購入する前に、住まいづくり勉強会&相談会に参加して知識をつけたり、腕の確かな建築家にサポートしてもらうのも検討してみてください。
【関連資料】過去のに掲載していた内容
1.「シロアリ被害住宅について、アンケート協力のお願い」
実は、現在工事中のリフォームの件で皆さんにお願いがあります。
中古物件購入について(仲介業者のこれが現状なのか、手抜き調査か、怠慢なのか)
中古住宅を購入したクライアントは、きれいにリフォームされていますので、この物件を購入しまいた。仲介を行った不動産業者も大手ですので安心して通常に購入しました。当事務所の依頼も購入後(購入後しか事前調査が出来ない不動産流通の不思議)にあり後日、事前調査を行いました。
その結果、白蟻・雨漏り等ある程度予測をして(解体を行っていないので詳しくは解かりませんでしたが)報告はしていたのですが、解体してビックリ!
此処までひどいとは!家全体にシロアリ被害です。屋根には何箇所も穴があいて雨漏りの跡、そのうえ外壁が剥れているなど、通常では考えられない状態が判明しました。下記の文面をご覧ください
この件を仲介業者経由で売り主に見せたところ、売り主は瑕疵担保を問わない条項で契約しているため売り主責任はないと返答しています。(契約書にはシロアリ被害、及び雨漏りはないと書かれていますが...)
また、売り主から仲介業者経由で今になって以下のような話を伝えてきました。
『平成15年にリフォーム工事をした時に、その業者にシロアリ被害がありますと言われ防蟻工事をした』しかも『業者任せだからどんな工事をしたのかは知らない』と。
ではそのリフォーム業者は説明もなしで、防蟻工事をしたのでしょうか?(私には考えられないことです。しかもその業者の担当者が退職してわからないということです。)また、仲介業者も知らないと言うのはおかしいと思います。
業法にもいろいろ明記されていますし、双方(売り主と買い主)の為に全力をつくすことが仲介業者の一番の仕事ではないでしょうか?
『売り主としての責任』や『仲介した業者としての責任』を全うせずになぜ消費者が全責任を負わなくてはいけないのかと思いますので、
ぜひ皆さんのご意見をお聞きしたいと考えています。
こうして頂いたご意見を売り主や仲介業者との談判の資料として使わせて頂きたいと思います。
(以前にリフォームの依頼を頂いたクライアントの物件の裁判では実際に皆さんのお力を借りて勝訴し、現在は新築の家で快適にお住まいになっています。)
実際に皆さんがこのようなことに遭遇するかも知れません。
皆さん、どうか多くのご意見を下記のアンケートと合わせてお答え下さい!よろしくお願いします!!
※現在はご意見・アンケートの受付を終了しています。
2.「貴重なご意見やアドバイス、ありがとうございます」
本当にたくさんの意見ありがとうございます。反響の多さにビックリしています。
専門的なアドバイス・貴重な意見など本当にありがとうございます。
クライアント方も『心強い励ましのお言葉本当にありがとうございます』とお伝えくださいとお話されています。私はクライアントと一緒にこの問題を解決してきますのでよろしくお願いします。
3.「初めての交渉」
12月22日やっと不動産業者とお話を持つことができました
しかし約3ヵ月後ですよ。この件にて話し合いの申し入れを行って???
通常ではないと私は思うのですが・・・・
(やはり業者は売ってしまえば関係ないと思っているのでしょうか)
しかも 結論から言いますと通常の業務を行なっただけで
不動産業者にはまったく責任が無いと・・・
呆れ返る言葉しか出ませんね。
確かに契約書等には不備がないのかもしれませんが・・・
○住宅○売さん・○○不動産さん 不動産業者として・・・本当にこれで良いのでしょうか・・・
(HPには社会貢献や消費者のために・・・と書いてありますが?嘘?)
内容等の詳しい話は記載できませんが両業者の話は信じられない事ばかりですよ。