なぜリフォームの見積もりやプラン作成が無料でできるのか?
新聞の折り込みチラシやWEB広告で「プラン作成・お見積り無料」とよく見かけますが、この作業でかかる人件費・交通費・その他の経費など一体どこから捻出されているのか考えてたことはありますか?
「後から請求されることはないか?」「後でしつこい営業をされないか?」というも不安もあると思いますのでざっくりとそのからくりを解説していきます。
プラン・見積作成が無料の場合どこかに上乗せされていることがあります。
いくらプラン・見積作成を無料でやるとはいえどこかで捻出する必要があります。それは当然かもしれませんがこれまでの売り上げから捻出している場合がほとんどです。
これまでの売り上げというのは、お客さんから頂いている売り上げからということになるので「他人のプラン作成や見積りにかかる費用を支払っているなんておかしい!」と思う人も中に入るかと思います。
では、そのプラン作成との見積りに一体どれだけの経費が上乗せされているのでしょうか?
次にプラン作成や見積り作成にどのくらいの費用がかかるのか説明します。
実はこんなにかかる!プラン・見積作成費用一覧
交通費:約10,000〜20,000円
これはプランを作成するために、住まいの状況を調査しに現地にお伺いする費用です。ガソリン代や車両代、遠方の場合には高速代などがかかります。少なく見積って約10,000〜20,000円とします。
打合せなどに掛かる費用:約80,000円〜(3〜4人)
移動から打ち合わせ完了まで約1日かかります。
床下や天井裏に入ったりとくまなくチェックしたり写真を撮ったりと、たくさんの作業があります。また、規模にもよりますが事前の準備を含む人件費などで約80,000円〜(3〜4人)とします。
プラン作成費:約160,000円
簡単なプラン作成でもしっかりした住まいのプラン作成には4日程度は必要になります。物件の大きさや施工の範囲にも変ってきますが、おおよそ40,000円×4日=160,000円とします。
見積り作成費:約50,000円〜100,000円
これも、物件の大きさや施工の範囲で変ってきますが、早くても丸1日かかってきます。他にも各業者さんを現地に案内して打合せをしたりと様々な費用がかかります。
この通り、プランと見積の作成で最低で約300,000円もかかります。実はこれだけの費用をお客さんから頂いている売り上げに数件分も上乗せされている場合があるんです。
ではリフォーム会社を選ぶ際どのようなことに気を付ければいいのでしょうか?
費用よりも希望をしっかり叶えてくれる建築家かどうか見極めることが大切
大切なお金でリフォームするからには信頼できるリフォーム会社を選ぶようにしたいものです。住まいはあなただけの「一品もの」ですので、希望をしっかりと叶える建築家にめぐり合うことがとても重要です。
住まいづくりの第一歩でもあるプランや見積の作成が無料であることについ魅力を感じてしまいがちですが、腕の確かなデザイン力やしっかりとした施工をする技術力を見極めることが大切です。その見極める方法については後述しますね。
無料と思いきやこんなトラブルも!?
無料のプラン見積作成をお願いしたつもりでいたのに、後からたくさんの費用の請求があったというお話しも聞きます。
プラン見積り作成をしてもらった後にリフォームを断るとそれまでにかかった費用を請求する悪徳業者もいるそうなので注意してください。
各リフォーム会社によってどこから有料かということを始めにはっきり聞いておくといいでしょう。
他にもこんなものが上乗せされているかもしれませんよ!
いかに無駄な経費をかけないで仕事ができないものかと常日頃考えていますが、どこのリフォーム会社でもたくさんの経費がどうしてもかかってきます。
あるハウスメーカーでは40%以上の利益がないと会社が回っていかないとか。当然私の設計事務所も経費がかかってきますが、
いかに無駄な経費をかけないで仕事ができないものかと考えています。
チラシの配布などの広告費やモデルハウスにはビックリするぐらいの費用がかかりますよ。
これらの経費もこれまでのお客さんの売り上げから支払われているので、施工代金などに上乗せされているということになりますね。
その様々な経費や、それに対する私の考え方をあげていきます。
広告費(配布用のチラシ制作費)
カラーチラシで約8円から10円と聞きます。1ヶ月に市内一円に撒くと考えて約50万枚。10円×50万枚=500万円かかります。このチラシの配布を年4回おこなうとすると年間2000万円もかかります。
モデルハウスの費用
ローコストのモデルハウスを建てるのに約2,500万円から4,500万円。また、ハウスメーカーのモデルハウスは6,000万〜8,000万円ぐらいが相場だそうです。
ほかにもモデルハウス展示場の土地のリース代など維持するための経費などで年間約2,000万円かかるそうです。
営業マンの人件費
私の考え方としては、住まいをつくるために営業マンは必要ないと考えています。デザイナーと施工する職人の建築家のみがいれば良いと思いませんか?
その営業マンの人件費もお客さんの施工代金に上乗せされているということです。しかも彼らは歩合給ということから過剰な営業が横行している理由なのかも知れませんね。
広告・チラシなどについての考え方
私は会社のWEBサイトを構えるだけで広告にお金をかけなくても良いと思っています。WEBサイトは広告ではなく、こんなことをしている設計事務所であるということを
見ていただくものだと考えています。良い仕事をしていれば雑誌社やTVなどのメディアから必ず取材や掲載のオファーがきます。私たちの手がけた住まいの事例がよく
雑誌に掲載されていますが、ありがたいことに全てオファーを受けて掲載していただいているものなのでお金はかかっていません。
モデルハウスについての考え方
実は、私の自宅をモデルルームとして見学してもらえるように工夫して経費を削減しています。
実際に住んでいるモデルハウスですので住み心地を試したりすることで、よりリアルに感じたり納得いくまで質問していただけますよ。
このようにたくさんの無駄な経費がリフォームの費用に上乗せされていることが日本の建築業界の常識になっています。しかしこのような状況を少しずつでも改善されていけるよう建築業界の方向けの講演会などにもたびたび参加させていただいています。機会があればぜひご参加ください。
相談会や勉強会に参加して腕の確かな建築家かどうか見極めるのもひとつの手
出典:リフォーム勉強会&相談会 – 横田建築研究所
私たちの設計事務所では無料でのプランや見積の作成はおこなってはいませんが
「おしゃれな空間や住まいにリノベーションしたい!」「中古住宅を購入して自由な間取りにリフォームしたい!」などとお考えのリフォーム初心者の方対象に、
世間話し感覚で気軽に参加できる住まいづくりの勉強会や相談会を時機に応じておこなっています。
このようなイベントは各社無料でおこなっていますので、参加してあなたが本当にその会社のスタイルやテイストと合うか、確かな技術力を持った夢を叶えられる会社かどうか見極めるために活用するのもひとつの手です。また住まいづくりの知識も身に付つくのでおすすめです。
確かに大切なお金ですので1円でも安く住まいづくりをしたいと考えるもの大切ですが、あなただけの一品ものの住まいづくりをするのですから予算や条件など様々な制約があっても希望をしっかりと叶えられる建築家にめぐり合うことが大切だということも覚えておいてください。