既に白蟻や雨漏りが判明していた家は､築年数なりの傷みはあったものの元の部分はしっかりしていました。
反対に後から増築と改修をされた部分に白蟻の被害が集中し､なんとお隣の外壁を利用して増築された部分には大きな穴が。床下もブロックが積まれた基礎に工事のときに出たと思われる廃材が入っていました。

潰してしまうのはもったいないとお考えになる一方で､このままでは使いづらく安全面でも不安を感じていらっしゃったＷ様は全面リフォームを決意。コストの削減も考えて興味を持っていらしたDIYにも挑戦されることになりました。

など､これからの新しい生活に必要なことばかりでした。

お休みの日には余程の事がない限り､毎回きちんとDIYで工事に参加されたＷ様。
がんばっていらっしゃった成果は､外観は和風でありながら中に入ると明るく､木がいっぱいの優しく美しい家となりました。

それでは　ご覧下さい・・・

瓦葺き､土壁､杉皮貼の昔ながらの外観は､カラー鋼板一文字葺き､焼き杉板貼に生まれ変わり存在感十分です。焼き杉貼は一部､Ｗ様がDIYで施工。
全体に黒っぽい外観にＷ様が塗られたオフホワイトの軒裏が映えます。

以前は浴室と洗面だった部分を新しく玄関に。
白蟻の被害もひどく､薄暗い感じがした空間は採光も収納も十分に取り､気持ちよく人を迎え入れる空間になりました。

キッチンは納戸になりました。
明るく広さも十分あるので､Ｗ様は書斎として使おうかと考えていらっしゃったほど。

玄関と小さな洋間があった部分は､水周りのスペースに変身です。
洗面台はIKEAの商品を使っています。

びっくりしたことに､以前お住まいだった方がお隣の外壁を使って増築されていた部屋があった所です。
今回は増築部分を撤去して本来の形に戻し､和室の客間になりました。
網代天井に和紙貼の壁。すっきりと美しい空間です。
当然､お隣の外壁は補修しました。

洋室と和室､縁側は一部屋のＬＤＫに大変身。
パイン材に包まれた空間に天窓から降り注ぐ光。DIYで一方向だけ塗られた新しい井桁梁は家を70年間支え続けてきた梁と合わさって､柔らかいながらも引き締まった空間になりました。

暗くて急だった階段は勾配を緩やかに。LDKと同じ仕上げなので明るい空間です。

立派な床の間があった和室は梁を見せて広々とした子供部屋になりました。
壁のガラスブロックからは､1階LDKの天窓から入る光を取り込むと共に､お子さん達の気配を知らせます。
構造用合板貼の壁のサンダー掛けと2階の床貼りは､すべてＷ様のDIY。
とても器用に､スイスイと作業を進めていらっしゃいました。
お子さん達にも自慢できる仕上がりです。

洋室と和室を合わせたような不思議な空間だった部屋は寝室になりました。
子供部屋同様に梁を見せて天井を高くとっています。
以前押入だった所は､廊下側から使えるトイレに。
新しく造ったクローゼットは､すのこ貼で湿気対策も十分です。